車を運転する人へ
・2022年6月6日 静岡県浜松市で 午後5時30分頃 交差点の横断歩道(歩行者信号青の状態)で、右折してきた車に2歳の子供がはねられる事故がおきています。
・2021年1月 砧公園につながる環8道路でも、夜間に左折直後の横断歩道で車に子供たちがはねられる死亡事故が起きています。
◆横断歩道は歩行者優先!(道路交通法第38条)
◆横断歩道のない交差点も、歩行者優先!(道路交通法第38条の2)
参考:歩行者保護(愛知県)
2022年現在も、全国各地で「左折直後の横断歩道」「右折直後の横断歩道」の交通死亡事故がおきています。
人の命を奪う事故をおこさないために、
車を運転していて、曲がるとき、直後に横断歩道があるときは「じゅうぶん手前で(なるべく距離をひろくとって)」「完全停止」しましょう。
◆なぜ「じゅうぶん手前」でないといけないか?
→ 自分の車が横断歩道に近づけば近づくほど、横断歩道全体を見渡せなくなります。離れていれば渡りはじめようとする両端の横断歩行者が見えます。(横断者側の青信号が点滅したころ駆け込んでくる歩行者や飛び込んでくる自転車が多いことはみんな体験して知っているはずです)
もしも万一、ブレーキとアクセルを踏み間違ったり、なにかのミスで車が動き出したときも、距離さえとっていれば運転者が再度ブレーキ操作したり、歩行者が逃げる時間があり助かる確率があがります。
横断歩道よりもじゅうぶん手前で横断するひとたちを待っていれば全体の状況が見通せます。近づきすぎると車のすぐちかくに幼児や幼児用自転車が接近してきても運転者から死角に入ってしまいます。
また、自分の車両自身がまわりの横断者や後続車の視界をさえぎる障害物にもなります。
自転車や駆け足のひとが車両の前後にわかれて横断しはじめると混乱が増し、危険度があがります。
◆なぜ「完全停止」でないといけないか?
車の車両は1トンをこえる鉄のかたまりです。毎日毎日交通事故で死亡者がでているおそろしい乗り物です。運転に慣れすぎてそれをつい忘れてしまうことがあります。
右折後や左折後の横断歩道ちかくで、横断歩行者に対して、ジリジリと近づくスピードで「はやく渡れ!はやくいけ!」という意味の「あおり行為」を行う車を目撃することがあります。横断歩行者が通行中の「群れ状態」の横断歩道上に突っ込んで強引に曲がっていく車を目撃することがあります。
たとえ運転者に悪気がなくても、歩行者にとっては非常におそろしい行為です。鉄のかたまりとくらべたら、歩行者は裸同然のひ弱さで、接触して倒れて踏みつけられたら大ケガだけでなく死亡することもありえます。
弱い相手の立場、歩行者の立場にたって恐ろしさを想像してみてください。
だから、直線道路の横断歩道で歩行者を待ってあげるときも、半ブレーキのそろりそろりと車体がうごいている状態では「ゆずってあげてるつもり」でも、歩行者はこわくて渡ることができません。停止線より手前で完全停止でゆずりましょう。
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そして、まわりの車の運転者も「安全を配慮して運転している人の行動」を理解しましょう
・横断歩道の「歩行者優先」をしっかり守っている前方の車がいたらあおらない、クラクション鳴らさない。(まわりの運転者も安全運転している人の味方をしてあげましょう。)
右折待ち、左折待ちで自車が続けて発進してよいか判断して間に合わなければ無理せずもう一回待つ。安全第一。車の移動で数分おくれたところでなにも失うものはありません。事故を起こせば比較にならないほど多くのものが失われます。
・先頭で「赤信号」を待っているとき、信号が青に変わっても、交差側道路の車の右折や左折進入が終わりきってなければ、待ってあげる(ゆっくり、のろのろ発進。青だから自分側が正しいからとアクセル踏んで突っ込んで行ったりクラクション鳴らしたりしない、おもいやり運転を。)
追記:最近(2022年6月上旬)も目撃しました。246号と中町通りの交差点で、246号側先頭で信号待ちしていた先頭バイクが、まだ中町通りからの右折車が全部曲がり終えてないのに青になった途端スタートダッシュして近づいていってホーン(クラクション)を鳴らして怒鳴っていました。これはわざと危険度をあげている行為です。
「おもいやり運転」は、言葉だけ美しい標語なのではなく、現実に道路上での安全度をあげる実質的に有効性のある「運転技術」です。
追記:2022年6月12日、同じ場所で、246号の先頭の停止車が、中町通り北側から246号へ右折進入が終わりきっていないところへ、青信号に変わったからと猛スタートしてクラクションならしてあおっているのを目撃しました。事故が起こる危険を自らつくりだしています。
こどもにおしえるのがだいじ
こどもはすなおです。横断歩道の「信号機の色が青なら、横方向から車がこない」としんじているかもしれません。しかし現実はそうではありません。
・じぶんのすすむ横断歩道信号が「青」でも、よこから車が走ってくることがあるよ(左折や右折で入ってくる車の存在)
・信号無視して車が走ってくることがあるよ
・道路以外のところからも車がくるよ。歩道や側道に接した駐車場や車庫からも車がきます
(★駐車場からうごかした車の犠牲になる幼児の死亡事故がたくさん起きています。
他人であっても近くにいる大人は声をかけて、みんなでまもってあげましょう!)
そのことをこどもに、なんどもなんども、くりかえしおしえましょう。
こどもであっても、じぶんのいのち、からだを、じぶんでまもらなければいけない現実があります。
そのことをくりかえしくりかえし、おしえてあげられるのは、親であり、家族であり、まわりにいる地域のおとなたちの役目だとわたしは思います。
一回言ってもききません。なんども、なんども。
そして、おとな自身が、毎日まちのなかで、じっさいのお手本になる行動をじぶんの身をもってしめしていきましょう。
自転車の死亡事故:
・2022年4月11日午前9時、東大阪市で 前後に子供を乗せた自転車がたおれて、うしろからきたトラックに子供がひかれる死亡事故がおきています。 読売新聞
・2021年11月11日午前10時40分頃、世田谷区鎌田3丁目(多摩堤通り)で、道路の路側帯を走行していた自転車をうしろから同じ方向へすすんできて左折したトラックがまきこんで、生後8ヶ月の子が事故にあっています。 朝日新聞
福岡高等裁判所 昭和51年(う)712号 判決 道路交通法三八条一項は、「車両等は、横断歩道に接近する場合には、当該横断歩道を通過する際に当該横断歩道によりその進路の前方を横断しようとする歩行者がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者があるときは、当該横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。」と規定しているところ、右規定の趣旨、目的が横断歩道における歩行者を保護、優先することにあることは言うまでもなく、右趣旨、目的及び右規定の改正経過並びに同法一条に照らして解釈すれば、右に規定されている「その進路の前方」とは、車両等が当該横断歩道の直前に到着してからその最後尾が横断歩道を通過し終るまでの間において、当該車両等の両側につき歩行者との間に必要な安全間隔をおいた範囲をいうものと解するのが相当であり、右三八条一項後段の規定は、車両等の運転者に対して、当該横断歩道により右の範囲を横断し又は横断しようとする歩行者があるときは、その直前で一時停止するなどの義務を課しているものと解される。そして、右の範囲すなわち歩行者との間に必要な安全間隔であるか否かは、これを固定的、一義的に決定することは困難であり、具体的場合における当該横断歩道付近の道路の状況、幅員、車両等の種類、大きさ、形状及び速度、歩行者の年齢、進行速度などを勘案し、横断歩行者をして危険を感じて横断を躊躇させたり、その進行速度を変えさせたり、あるいは立ち止まらせたりなど、その通行を妨げるおそれがあるかどうかを基準として合理的に判断されるべきである。原審において検察官は「進路の前方」の範囲を約五メートルと陳述しているが、これは、この程度の距離を置かなければ横断歩行者の通行を妨げることが明らかであるとして福岡県警察がその取締り目的のため一応の基準として右の間隔を定めていることを釈明したものと解され、必ずしも「進路前方」の範囲が五メートル以内に限定されるものではないのであつて、この範囲は具体的状況のもとで合理的に判断されるべき事柄である。