子供たちへ ゴミのことよりも きみたちの命がだいじ

わたしは近所で「交通安全 みまもり ゴミ拾い」活動をしています。
この呼び方には意味があって「交通安全」をいちばん重要だとかんがえているので先頭にあるわけです。
身近な日常の生活でいちばん命の危険や大きなケガにつながることだから。
そして自分の気をつけようとする力でいちばん防ぐことが可能にちかいことだと思うから。

11月11日 現在、東京の日没時刻は 16:37 です。
午後5時まえには暗くなり、午後6時になれば真っ暗です。これから12月上旬までさらに暗くなる時間がはやくなります。
(東京では 16:27 が一年でもっとも早い日の入り時刻)

そとが暗くなっても安全なように、私の体にはたくさんのピカピカ光る照明ライト、反射材、チリンチリン鳴る鈴、がついていて、明るい色の服も着ています。
自分の安全のためだけでなく、
「へーっ、あんなのつけると、あんなふうに明るくなるんだなあ、目立つなあ、ありゃ、安全だなあ。自分もつけたら安全になるし まわりのひとにも親切かな」と気がついてもらいたいという思いもあります。

たとえば、視力が良くて機敏に動けて頑丈な体を持っていたら、暗い時間帯に暗い色の服を着て、混み合っている路上の人波をすばやくかいくぐって進んで「こんなの簡単、自分はこわくないよ平気だよ」という気になるかもしれません。
しかしまわりにいる人、ちかくを歩く人にとってはどうでしょうか。あまり眼がよくみえない人もいます。ゆっくり杖をついて歩く人もいます。子供の身長はおとなの半分よりちいさいです。
まえを見ていないで歩く人、考え事をしていたり体の具合がわるくて病気でぼーっとしている人もいるかもしれません。
狭い歩道上でべつの方角から複数のひとが近づいてくることもあります。そのとき耳がよくきこえなくて足音や物音に気づけない人もいるかもしれません。(私は外出時にイヤホンをつけることはありません。)

こどもは おとな のマネをします。

私は、歩行者道路や路側帯を歩くとき、なるべくゆっくりした歩みで、前後をきょろきょろ見回しながら、向かい側や、後ろ側から人や乗り物がきたときは片側によけてからだをひらべったく壁のようにして道をゆずります。
道路をわたるとき、信号が青色に変わってもすぐ足を踏み出さずに右・左・右を首をうごかして自分の眼で「だいじょうぶ安全」をたしかめてから、歩き出します。
常にキョロキョロ周囲の危険をうかがっているので「なんだかミーアキャット(動物)に似てるかな」と自分で思うこともあります。

ごみを拾う、なんてことは明るい太陽がでている時間にやるほうが安全にきまっています。
暗くなってからのゴミ拾いは、町のひとたちにとっては、ちょっとジャマで危険な部分も含んでいる行為だと承知しています。ごめんなさい。
活動が「ゴミ拾い」だけでなく、それよりもだいじに思っている「交通安全」と「みまもり」がいっしょになっているので、過去の交通事故発生時刻を勉強したり、子供が学校から下校する時間、その時刻にクルマを運転している人たちに私の姿が見てもらえるようになど色々と考えて、いまの時間帯に活動しています。

私がゴミ拾いをしていると、子供が自分でゴミをみつけて拾ってもってきてくれることがあります。
うれしい気持ちになります。が、そのたびに
「ありがとう。でも、ゴミ拾いはあぶないから、おとなが拾えばいいんだからね。きみたちはクルマにしっかり気をつけるんだよ」
と私は言います。
その場の状況に応じて「運転している大人が前を見ていないときもあるからね」「スピードの速い自転車が突然くることもあるからね」そして

「ホントは、気をつけなきゃいけないのはこどものほうじゃなくて、運転してるおとなのほうなんだけどね。おとなも失敗したりまちがえたりすることあるからね。両方で気をつけると安全だから」

など言い足したりしながら。

こどものからだが一番だいじ。

子供がケガをすることに比べたら、ゴミを拾ったり捨てたりということはどうでもいいくらい小さなことです。

だから私は、ゴミ拾いを子供には すすめません。

子供を自転車にのせてるお母さんお父さんも ゴミを落としても無理して拾う必要ないですからね。ケガしないほうがだいじ。いのちがだいじ。
こどもをつれているときは、こどもの安全のことだけ第一で。
あとのことはまわりにいる、そのときそれができるおとながすればいいだけのこと。
ゴミはおじさんが拾うからね。



わたしは、町でこどもに交通安全で声をかけるとき「ルールだからまもる」ということは言わず「じぶんのいのちをじぶんでまもるんだよ」と言います。
体の大きな子供には「じぶんよりちいさな子があぶなかったり困っていたら助けてあげてね」と言います。

「ゴミ拾い」という行為よりも、こどものいのちをまもること、いのちのほうがだいじ。 その優先順位があることを、はっきり伝えることが大切だと思いこの記事を書きました。


付記:
ゴミ拾い自体が交通事故防止などに役立つ点も多々あります

・道路脇に落ちている缶びんペットボトルに自転車が乗り上げたり、車道に転がりでて事故原因になるのを防ぐ
・路面に落ちているお菓子の袋やプラスチック袋、バナナの皮や長ネギなどにすべって転倒するのを防ぐ
・路面に落ちている釘、ネジ、ボルト、ガラス、硬質危険物でパンクしたりケガや事故につながることを防ぐ
・風でとんだプラスチック袋がフロントガラスにはりつくのを防ぐ
・火のついたタバコ、落ちているライターが火災原因になるのを防ぐ
・雑菌やウイルスの付着したものを子供が触るのを防ぐ
・飲みかけ食べかけのゴミを子供が口にいれるのを防ぐ
・不衛生なものを放置しないことで害虫害獣のエサを増やさず疫病を防ぐ
・「割れ窓理論」
・犬がさんぽ中に路上のへんなモノを食べてしまうのも防げます




※更新 2020年 11月16日
 記事初出 2020年 11月12日